散財をしなくなって久しい。
欲しいものがない。必要なもの(例えば仕事着や食料品、日用雑貨、歯の治療費など)はそれなりにあるが、必要な物以外で「手に入れたい!」と強く欲するものがない。昔はあんなに買物好きだったのに。
別に貯金するために躍起になっているだとか、本当は欲しいものがあるけれど節約のため我慢しているだとか、そんなではない。ただ、欲しくないのだ。
ネットでちょっと「いいな」と思うものを眺めていても、しばらく経てば物欲も薄れている。たまに思い出したりもするが、今すぐ手に入れたいと血眼になることはない。そうして、一週間も経てば欲しくはなくなる。
それは、今あるもので充分満足しているからだろう。貧乏くさいかもしれないが、海で拾ってきた石も、梅酒の空き瓶も、長いこと使っているが飽きることなく気に入っている。もちろん、お金を出して買ったものにも愛着がある。これ以上新しいものを求める必要がどこにあろう。
必要でないのに欲しいと思っただけで買ったものは、経験上、箪笥の肥やしになる確率が高い。いずれ飽きが来て手放す段になったとき、処分方法にいちいち悩むのも億劫だ。だから必要以上に物を買いこまない。そういう生活を三年も続けていれば自然と「断捨離祭」をすることもなくなった。適量で暮らすことは実に気が楽だ。
いづれはこんな生活もいいな、と思っている。