室岩洞での探検隊ごっこも終わり、城ケ崎海岸までは長い長い道のりだった。
下道でおよそ2時間。なにもない峠をただひたすらに車を走らせる。松本で満タンにしたガソリンは底をつき始めようとしており、早急な給油を必要とした。しかしこの峠で年始に開いているガソリンスタンドはなく、店を見つけてもいずれも閉まっていた。峠を抜ければおそらくガソリンスタンドはあるだろうと、途中でガス欠にならないよう祈りながらアクセルを踏んだ。
峠を超え、下田方面へ抜けたならば海岸線沿にある国道135号線にのり次の目的地である城ケ崎海岸へ。予定では16時頃到着のはずだったのだが、寄り道などしていたらすっかり日は暮れてしまった。
城ケ崎海岸に着いたのは18時頃だったと記憶している。あたりは真っ暗でとても海を眺めるような時間帯ではない。しかも駐車場は有料で1回につき510円取られる。こんな真っ暗な海を眺めたってしょうがないよなぁと思いつつ駐車場の看板に目をやると、15分まで無料の文字が飛び込んできた。その瞬間に脳裏をよぎったのは「15分以内で観光しよう!」だった。
海岸は案の定まっくらだった。ところどころ街灯はあるにせよ、思った通り暗くてほとんど何も見えない。潮風と波の音を感じながら、さっそく15分以内観光をはじめる。誰もいない海岸を全力ダッシュで駆け抜けるのだ。
吊り橋を走るのはさすがに危ないと思い、歩いて渡った。
灯台周辺はダッシュで走り抜ける。夜は封鎖されており灯台に上ることができなかったのが残念。
時々時間を気にしながら、健康のためとも思い走った。お手洗い休憩の時間もちゃんと確保し、ぎりぎり15分以内で観光は終了。傍から見たら馬鹿馬鹿しいかもしれないが、これはこれで楽しい想い出となった。
念のため書き加えておきますが、まわりに人がいないことを確認して走りました。
長かった初日の道中も終盤、この日の目的地である熱海へ。ホテルへ行く前にサンビーチに立ち寄り、砂浜を散歩した。
良いですね、砂浜。写真の反対方向、山のほうでは熱海城がライトアップされていた。
ホテルにチェックイン後は夕飯を食べに出掛け、街をぶらぶらと散歩。知らない街をあてもなくさまようのが楽しい。とくに民家があるような場所が好きで 、路地裏散策も楽しみのひとつである。
元旦なので休業の店が多く、さみしいアーケード。
ねこ。厳しい時代を生きているような、そんな顔つきをしていた。空いてる店も少なくて、ありつける餌も少なかろう。
熱海駅。
コンクリート壁のちょっと不格好な古い建物って、なぜこうも味があるのでしょうか。言ったら失礼な言葉かもしれないけれど、こういった薄汚れた雰囲気の建物や街の光景は、どこか人間味があって好きなんだなぁ。
温泉のためのボイラー?ブシュウブシュウとうなりを上げていた。
こういう道を見つけると、行先もわからないのについ入ってしまう。
ただ散歩しているだけなのに楽しい。
熱海は思った通り良いところだなぁと思った。真冬なのに全然寒くないし、街のひかりもどこかあたたかくて街全体の雰囲気もいい。とても楽しい夜でした。
2日目の日記 1に続く