この部屋に越してきてから、大体一年半くらい経つ。
(写真は今の部屋)
それまでは実家に住んでいて、ご近所さんからは「やどかり娘ね」なんてよく揶揄されていた。三十にもなる大人が実家に寄生しているのは確かに後ろめたかったし、自分でもどうにかしたいと思っていたから、余計にその言葉が強く胸に突き刺さったのを今でもはっきりと覚えている。
ひとり暮らしをしようと思ったきっかけはご近所さんの「やどかり娘」発言もあるけれど、自分なりに大きく三つあって、
ひとつは、片道一時間の車通勤が苦痛になってきたから。
ふたつめは、家族間の問題がすこしだけ緩和されて安心できるようになったから。
みっつめは、自分でごはんを作って食べたいと思ったから。
以上が実家を出ようと思ったきっかけである。
片道一時間の車通勤は、前職の時から通算すると、かれこれ九年近く続けていたことになる。運転は好きなので最近まで苦痛だとは思わなかったものの、やはり三十も過ぎると体力的に辛くなってくる。その上、仕事中も頻繁に車を運転するものだから、正直もう運転は懲り懲りだと感じていた。
家族問題は今も継続中ではあるけれど、以前に比べればだいぶマシになったように思う。これについては、また機会を設けて日記に書こうと思います。
みっつめのごはんについては、ある日会社から帰宅しいつものように母の手料理を食べたとき、「あぁ、私もお母さんみたいに美味しい料理を作れたらいいなぁ」と思ったから。これこそが、実は家を出る一番大きな動機だった。
一昨年の11月のことである。
長くなるのでその②に続きます。