南東三階角部屋日記

四十代前半女性のひとり暮らし日記です。記録としての投稿がメイン。

7月24日 懐かしの小学校までの道のりを歩く

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今日は無性に昔を懐かしみたくて、かつて通っていた小学校までの通学路を歩いてきた。

 

自宅から学校までは離れていたので、毎日スクールバスで学校の近くまで乗せて行ってもらった。小学校は小高い丘の上にあり、スクールバスのような大型車の乗り入れが困難なため途中で降ろされ、そこから1キロほどの登り坂をいつも歩いていた。

 

子供の頃はなんとも思わなかった上り勾配も、大人になって歩いてみると息が切れるほど辛い。改めて自分は歳を取ったのだなと実感する。

 

学校までの道は整備が行き届き、私が六年間歩いた道のりにあった鬱蒼とした木々や草花は姿を消していた。たんぽぽの茎で笛を作ったり、蛍袋の花を探すのを楽しんだりしたあの光景とは、残念ながら今日の散策では出会えなかった。

 

 


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しばらく歩くと、眼下に民家や川が見て取れる。この光景はかつては見られなかった。なぜなら、この景色を遮るように木々が生い茂っていたからだ。

 

 


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またしばらく歩を進めると、石碑や句碑が現れる。小さい頃は何のための石碑だったかさっぱりわからなかったが、説明板を見てそういうものだったのかと四半世紀の時を経てはじめて知る。

 

 


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この先を登ると祠などがあり、春になると満開の桜の木の下でお花見給食をした。とても好きな時間だった。

 

 


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詳しいことはわからないが、御岳信仰の石碑や祠みたい。御嶽といえば、そういえば今日の相撲の取り組みで御嶽海は白星だった。これで6連勝。今場所、白鵬に勝てるかしら。

 

 


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毒キノコぽいキノコがそこら中に生えていた。

 

 


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これが最後の登り坂。これを登り切ると校舎が現れる。

 

そういえばこの場所で、近所に住むHさんというおじさんが子供たちの目の前で蛇を踏み殺す現場を目の当たりにしたことを思い出す。彼は知的障がいを持つ方であった。当時、私の周りには知的障がい者はけっこういた。学校も地域も「障がい者だから」という偏見は持たない教育方針・地域性だったからか、私たち子供たちも健常者とかわらず普通に接していた。そのような環境で育った私も彼に対して偏見などは持っていなかったが、流石にHさんの突然の行動の恐ろしさに子供たち一同キャーキャー騒ぎまくったものだ。

 

 


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登下校のとき、この斜面になっているところを歩いたなぁ。りこぼうなんかも生えていて、食べないのによく摘んで帰ったっけ。

 

 


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なつかしい校舎!この校舎もかなりの年数が経っているし子供の数も年々減っているため、しばらくすれば廃校となるかもしれない。最近では中学校と校舎を統合する案も出ているという。

 


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ついでに学校近くも散策してみた。サツマイモを沢山植えた畑は草ぼうぼうで、今は使われていないようだ。畑の脇に申し訳なさそうな顔をしたミニトマトが幾ばくか生えていた。

 


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さらに先へと進むと、昔馬がいた建物が現れる。馬はもういない。

 

 


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割と標高は高い。風は涼しいが湿度が高く、歩いているだけで汗がにじむ。

 

 


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校舎をグラウンド側から。タイヤの遊具は今も変わらず残っていた。かけっこはいつも2番だった。背の高い子には勝てなかった。

 

 


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 土管の遊び場も昔からあった・・かな?

 

 


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学校を後にして、村内をぶらりと歩く。

 

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保育園近くに神社があった。その保育園は今は移転され、跡地にはデイサービスセンターが建った。保育園のころ、避難訓練でこの神社に来たのを憶えている。先生から非常食として乾パンを手渡され食べた。乾パンは半分こにしてクラスの子と食べた。

 

 


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使う勇気が出ないトイレ。

 

 


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老いた木もまだ頑張っている。

 

 


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竹林は昔から変わらない。この竹林の中をお散歩した。自然保育ではない普通の保育園だったが、けっこうワイルドな日々を過ごしていたように思う。

 

 


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六キロくらい歩いただろうか。やっと車をとめた場所に戻ってきた。グラウンドの脇でコーラを一缶あけた。

 

このグラウンドにくる直前、偶然にも先に書いたHさんとすれ違った。かなり老けてしまったが顔を見てすぐにわかった。こんにちは、Hさんですよね?と声をかけると、そうですと彼は言った。〇〇 〇〇の娘です。Hさんと父は顔見知りなのでそういうと、にこにこしてうなずいた。なんだか昔よりも顔つきが穏やかになったなぁと思う。

 

 

 


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近くの川で石拾い。小学生の頃、授業の一環でここで化石探しをした。葉っぱの化石などを見つけた。

 

 


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化石は見つからないが、いくつか石を拾ってきた。子供の頃から好きなものはそうそう変わるものではないなぁと思う。

 

 

 

ここ数週間、精神的な疲れからくる体調不良が悪さをし、気持ちが鬱々としていた。そういうことは社会人になってから度々訪れるようになり、そのたび葛藤し、悶々とした日々を過ごしていた。

 

私もある程度の経験を積んできて、そういった精神状態の時になにをすれば快方に向かうか、立ち直れるかを理解し実践できるようになった。それは、自然に触れること、自然の中に身を置くこと。ただひたすら歩くこと。歩いて汗をかくこと。なんの変哲もない行為であるが、私にとっては大切な心の治療薬なのだ。だから今日この場所に来た。

 

自分が心から求める場所、癒される故郷を歩くことが、今、一番の特効薬であると感じている。帰る場所がある。それだけでも本当に救われる。