南東三階角部屋日記

四十代前半女性のひとり暮らし日記です。記録としての投稿がメイン。

9月19日 夏の終わり

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先日まで毎日暑い暑いと嘆いていたのに、最近の朝晩は羽織りものがないと風邪をひいてしまいそうなくらい気温が低くなってきた。さっきまで夜の街を散歩していたのだけれど、パーカーを着ていって正解だった。半袖では体が冷えてしまう。

 

 

「夏の終わりはちょっとさみしい」

 

この感覚は子供のころからずっと変わらずに持っている。セミの成虫が数週間で命尽きてしまうかのように、精一杯の声を張り上げて始まった夏は一瞬で過ぎ去ってゆく。炎天下でのむサイダーの味も、猛暑ですぐに溶けてしまうアイスの冷たさも、川辺ではしゃぐ子供たちの声の明るさも、夏に経験したすべての物事が走馬灯のようにさあっと私の目の前を過ぎてゆく。あたかも夏は幻だったかのように、断片的な記憶としてわずかに残るのみ。記憶のピースを合わせようとしてもその数が足りなくて、曖昧な記憶のまま夏は秋に季節のバトンを渡す。

 

だけど、私は夏の終わりは嫌いではない。ひんやりとした空気に混じる秋の匂いを感じると、今年も夏が終わって秋が来るんだなとすこし嬉しくなる。

 

終わりと始まり。それらが交差する瞬間を見つけたとき、何故だか無性に嬉しくなるのは私だけではないと思う。