おばちゃんの通夜式に出席した。
不思議なことに、今日のおばちゃんの表情は昨日の表情よりも「生きている」ような感じがあり、今にも起き出しそうな雰囲気だった。医師による死亡確認もされているし、鼓動もたしかに止まっているが、もしかしたらおばちゃんはまだ生きているのではないか?と思わせる顔をしていた。
通夜式にはおばちゃんの兄弟姉妹、おいさんの兄弟とその息子などの親戚の面々、ご近所さんが集まった。知った顔もあれば誰だかわからない人もいて、挨拶や話す話題にすこし戸惑った。おばちゃんには6、7人くらい兄弟姉妹がいて、通夜には存命の妹さん2人と弟さんが出席されていた。おばちゃんのすぐ下の妹さんはおばちゃんそっくりで、一瞬本人かと思った。お年を召されているのにとても可憐で美しい方だった。
82歳になる弟さんは乗鞍のスキー場にあるリフト場で働いているらしく(経営者だったかもしれない)、昔はスキー競技の日本代表だったそうだ。スポーツをしていたからかとても若々しかった。こういったつながりは冠婚葬祭くらいでしか持てないように思う。
通夜式、通夜振る舞いは二時間程度で終わった。その後は近縁だけで後片付けをし、こたつを囲んでお茶をのみながら談笑した。おいさん、おばちゃんの想い出話、自分たちの今の生活のことや入院中の母の話題。他愛のない会話だけれど、こうやって親戚が集うのは久々で懐かしく、不思議と安心する。大人になってからはなかなか行き会う機会を持てないから、本当に貴重な時間である。お通夜や葬儀の場は、私が思うに故人が最期に用意してくれた談笑の場でもあると思う。
明日の出棺や葬儀には出席できないので、形あるおばちゃんと最後の別れをしてからアパートに戻った。
おやすみ、おばちゃん。